内容説明
アメリカは日本の敵か、味方か!?知っているようで全然わかっていないアメリカ合衆国。「世界覇権国」を動かす政治家と知識人400人を徹底分析し、現代アメリカ合衆国の政治の内側を詳しくとらえた一冊。「ネオ・コン」「グローバリスト」「リバータリアン」とは何か?日本の生殺与奪の権を握るアメリカの政治権力者たちが何を考え、どのような思想で動いているのかを知らずに、日本は生き残れない。
目次
第1章 “ネオ・コン”派の正体
第2章 共和党保守本流という存在
第3章 試練に立つ民主党リベラリズムと行動科学
第4章 「法」をめぐる思想闘争と政治対立の構図
第5章 ユダヤ系知識人と財界人の政治力
第6章 リバータリアン保守思想の台頭
第7章 宗教右派の運動と社会問題対立の激化
第8章 黒人イスラム勢力の動き
第9章 左翼知識人と急進左翼運動の現在
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
白義
11
著者の他の著作と同じく深刻なミスや粗雑すぎる書き方が超多いが、実政治と知識人界の距離が近いアメリカの思想家たちを大まかにマッピングしている分かりやすい見取図。孤立保守主義とネオコンの対立図式とか、リバタリアニズムなど、日本の左右図式からはずれる保守、左派内部の多様な潮流にも触れていて整理には役立つ。一方、本書では陰謀論を戒めているものの、後に狂気に満ちた陰謀論者になった片鱗もすでに記述の端々に見られる。チョムスキーが米国真の支配層の巧妙な別動隊ってなんすかね…日本思想サゲも激しすぎ2015/04/03
うえ
5
今となっては少々古いが、当時のアメリカの政治思想分類には役立つ本。この中でいえばアイソレーショニストが現在のトランプに当てはまるわけだが、気をつけて読んでいないとわかりにくいかもしれない。対立軸でいえば、ネオコンや旧保守、モダンリベラルが後退し、ティーパーティーを経て、アイソレーショニストとアニマルライツが対立している状況だろう。そういえば当時の日本ではロックの統治二論の前半部分しか訳されていなかったわけで隔世の感がある。「岩波文庫版は後半のダニ論文のみであって…いまだに翻訳さえ完了していないのである」2017/01/14
ヨンデル
2
昔読んだ本です、整理のため登録しています。2024/07/10
aotake_1103
1
著者のHPに主著のひとつと紹介されていたために読んでみました。 25年近く前の本のため、ここで紹介されている人物は知らない人物が多かったが、米国人の多様な思想について整理ができた。 特に2016年のトランプ大統領誕生前からメディアで使われ始めたポピュリズムやアメリカファーストもすでに説明されている。 最近の米国政治は分からなくなったと思っていた。しかしそれは多様な考え方を持つ米国人に対し、我々日本人が庶民から政治家、メディアに至るまでみな比較的同じような発想や思想を 持っているためなのだと理解した。2019/04/05
筑紫の國造
1
アメリカの政治思想の大まかな見取り図を紹介した本。日本では一般向けの類書が極めて少なく、知識人が政治を大きく動かすアメリカの状況を紹介したり、「自然法」「自然権」「人定法」の対立について解説したりと、貴重な知見が含まれる。しかし著者の極端な断定と、あまりにも乱暴な文体が本書の価値を大きく下げている。いちいち自分の考え方や価値観を絶対に正しいかのように差し挟み、自分の功績を大声で主張するのには辟易した。知識人のあり方なんて各国様々な筈なのに、やたら日本の知識人を罵倒するのも、全くアホらしい。2015/07/19